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熱海合宿で決めたこと:日本から築く、ひとつのプラットフォーム

5月、Ur AIのメンバーとその家族で、熱海に2日間滞在しました。この合宿で、NebulaとSpecterをひとつのプラットフォームとして、日本から築いていくことを決めました。

Sandeep Yella

Sandeep Yella

創業者・CEO

熱海合宿で決めたこと:日本から築く、ひとつのプラットフォーム

5月、Ur AIのメンバーとその家族で、熱海に2日間滞在しました。投資家であるIncubate Fundが、投資先スタートアップへの支援の一環として、宿泊とアクティビティを提供してくださったものです。

初日の朝は、母が執り行う小さなプージャ(インドの祈りの儀式)から始まりました。皆で唱えたガーヤトリー・マントラは、澄んだ心で考えられるよう、導きを願う祈りです。富や成功を願う祈りではありません。まず心を整え、あとは日々の仕事で示していく。それがこの2日間の基調になりました。

まずは、一人ひとりの思いから

戦略の話に入る前に、この1年で実現したいことを、仕事のことも私生活のことも含めて一人ずつ話しました。学び、成長、家族、大きな挑戦、旅に出ること。会社の計画は、こうした一人ひとりの思いを土台に組み立てました。

この1年で実現したいことを書き出したホワイトボードの横に立つSandeep Yella
この1年で実現したいことを、一人ずつホワイトボードに書き出しました。

NebulaとSpecterを、ひとつのプラットフォームに

今回いちばん大きな決断は、私たちがつくっているものをどう伝えるか、でした。熱海で、NebulaとSpecterをひとつのプラットフォームとしてまとめることを決めました。

Nebulaはその土台です。複雑なビジネス文書を、AIが正確かつ安全に扱えるデータへと変換します。その上に載る最初のモジュールが、M&Aデューデリジェンス向けのSpecterです。今後は、建設、不動産、保険など、文書を多く扱うほかの専門領域に向けたモジュールも増やしていきます。

いま多くの企業が、AWSのようなクラウドを基盤に事業を動かしています。AIの時代には、各社が自社のデータで自社のモデルを動かすようになるはずです。私たちは、その基盤となる存在になりたい。目指すのは「AI時代のAWS」です。

なぜ日本から始めるのか

日本は今も、世界的に見て紙の書類が多く残る国です。クラウドの活用は米国ほど進んでおらず、精度やコンプライアンスへの要求は一段と高い。自社の環境の中でAIを動かしたいと考える企業も少なくありません。

一方で、フロンティアモデルの利用コストは、多くの企業にとって切実な課題になりつつあります。セキュリティ、コストの見通しやすさ、データ主権、そして精度。この4つをすべて満たすことが、これからの企業向けAIに求められると私たちは考えています。日本で実現できれば、世界のどこでも通用するはずです。

炭火のバーベキューの準備をするメンバーと家族
テラスでバーベキュー。

熱海で持ち帰った2つの考え

1つ目は、優れた創業者ほど、最初の市場をはっきりと定め、そこから着実に広げていくということ。私たちは、日本で文書を多く扱う専門業務から始め、そこから領域を広げていきます。

2つ目は、私がよく立ち返るたとえです。フロンティアAIの開発企業は、いわばスーパーマンをつくっています。けれども、多くのお客様に必要なのはスーパーマンではありません。目の前の仕事を毎日確実にこなし、コストの見通しも立つ、頼れる身近なヒーローです。

5月からの歩み

  • SOC 2 Type 2の審査とGDPR対応プログラムを完了しました。1月に取得したISO/IEC 27001認証に続く取り組みです。
  • Nebulaは2つの形で提供しています。クラウドで利用できるNebula Frontierと、ファインチューニングしたモデルをお客様の環境内で完結して動かすNebula Sovereignです。
  • 7月には、日本語のビジネス文書を対象に14の文書AIシステムを比較した、ベンチマーク結果を公開しました。
  • OCR分野で長年の経験を持つ研究者が、研究の責任者として加わりました。詳しくは近日中にご紹介します。

年内には、サンフランシスコ、上海、バンガロール、ムンバイを訪れ、現地でAIに取り組むチームから学ぶ予定です。

低いテーブルを囲んでボードゲームを楽しむメンバーと家族
家族も一緒にボードゲーム。

感謝を込めて

熱海での2日間は、私たちがなぜこの仕事をしているのかを、あらためて思い出させてくれました。さまざまな国から集まった小さなチームが、日本から、簡単ではない挑戦に一緒に取り組むことを選んでくれた。そのことに心から感謝しています。

参加してくれた皆さん、そしてこの機会をつくってくださったIncubate Fundの皆さまに、改めてお礼申し上げます。道のりはまだ長いですが、一歩ずつ前に進んでいきます。